2021年2月の台所モンテコラム

★2021年2月1日★

トイレットラーニングについて

今月は、多くの保護者さまが悩む「トイトレ」についてお話させていただきます。

一般に「トイレトレーニング(トイトレ)」と呼ばれている「おむつ外し」
すんなりおむつを卒業するお子さまもいる一方で、苦戦を強いられストレスを抱えるご家庭も多いですね。
排泄の自立のための学びを、モンテッソーリ教育では「トイレットラーニング」と呼んでいます。訓練して教わる「トレーニング」ではなく、自ら排泄をコントロールすることを学ぶものだからです。
そもそも生きものは、開放空間で排泄する能力を持って生まれてきます。人間は、大人の都合によって、おむつの中で排泄することを学習させられていると言えるかもしれません。
排泄という生理現象を、五感で認識していれば、溜める感覚が育まれていきます。でも、おむつ内での排泄によって開放空間での排泄の感覚を失ってしまうと、排泄を認識し辛くなってしまいます。だから、おむつの外(開放空間)で排泄することを再学習する必要があるのです。

経済発展が遅れている地域では、0歳からおむつをほとんど使わずに動物として自然な排泄をして育っています。そういった国では、1歳半~2歳ごろには排泄が自然に自立しているといいます。
一方で、日本や欧米ではおむつ外し年齢が年々上昇しています。欧米のとある小学校では、1年生クラスの3分の1がパンツタイプの紙おむつをはいていたというお話も聞きます。

排泄の自立には、4つの条件がそろう必要があります。
①運動能力の発達により、自立歩行ができる
②排泄を認識し、「ちっち」「うんち」など教えることができる
③内臓感覚の発達により、溜めることができる(排尿間隔が2時間以上が目安)
④社会性の意識の発達により、「トイレで排泄する」というルールが分かる
紙おむつの性能がよくなり、排泄を認識し辛くなると、溜める感覚も発達しにくくなるため、排泄の自立が遅れる原因になっています。さらに、おむつという閉鎖空間での排泄に慣れてしまうと、開放空間で排泄することに難しさを感じてしまうことも多いようです。

おむつの外で排泄することは、排泄という生理現象の対処を学び直しているということを心に留めてあげてください。
特に月齢が上がり社会性の意識が発達してくると、本当はトイレでしたいのにうまくできないからと、トイレに行きたがらないことも出てきます。大人サイズのトイレがやりにくいのであれば、おまるでもよいですね。座って排泄する練習です。
また、「おもらし」は学びのプロセスであるという意識も大切です。濡れて気持ちが悪い感覚(触覚)、濡れた見た目の変化(視覚)、臭い(嗅覚)など五感で感じながら、排泄を認識していきます。
おむつを外すなら夏がおすすめと言われることも多いのですが、お子さまに適した環境はそれぞれです。あまり決めつけず、保護者さまとお子さま自身が取り入れやすいタイミングにチャレンジすることをお勧めします。

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