2025年6月 「これなあに!?」からはじまる、世界へのまなざし

── 「これなあに?」は、静かな雨音にまぎれて届く、小さな探究の声 ──
6月。しとしとと雨が降り、草木が潤うこの季節。
ご家庭で過ごす時間が少し増えるからか、ふとした瞬間に子どもの「これなあに?」という声が聞こえてくることが増えた気がします。
窓の外の雨を見ながら、
引き出しを開けながら、
たたんだ服を手に取りながら——
そんな、ありふれた日常の中に、子どもたちの“世界へのまなざし”は確かに宿っています。

モンテッソーリ教育では、子どもは「環境から学ぶ存在」とされています。
子どもが「これなあに?」と尋ねるのは、ただの好奇心ではなく、“環境と出会った瞬間”です。
教具やおもちゃがなくても、洋服、タグ、食べ物、家具…すべてが子どもにとっての教材になりうるのです。

大人がすぐに答えを教えるのではなく、一緒に考えたり、少しヒントを出したり。
子どもと「問いを育てる関係」こそが、探究のはじまりです。
たとえば「服のタグ」も、大人が“気づいていなかった世界”を子どもが教えてくれるかもしれません。

教具や特別な道具がなくても、家庭は子どもにとって最初の学びの場。
引き出しの中、食卓、洗濯物——身近な環境からたくさんの「これなあに?」が生まれます。
マヴィのおうちで大切にしている“探究のはじまり”は、おうちの中にもたくさんあるのです。

子どもがふと立ち止まり、「ん?」と首をかしげる瞬間。
それは、まだことばにならない“問い”が、生まれはじめているサインかもしれません。

「どうしたらもっと知れるかな?」
そんなふうに思っているのかどうか、大人にはわからないかもしれない。
でも、その“立ち止まり”に気づき、そっと寄り添うことで、子どものまなざしは少しずつ世界へと開いていきます。

答えを急がず、いっしょに考える時間を味わう。
そのひとときが、日常の中の学びをあたたかく照らしてくれます。

5月のnoteでは、「はじまり探究」の原点や、“見守る”というまなざしについて綴りました。
子どもと日々を過ごす中で、「わたしの関わり方、これでいいのかな?」と感じることがあれば、そっと読んでみてくださいね。


「はじまり探究」のはじまりのお話


SNSと子どもー本当に必要なのは”自己経営力”かもしれない

”見守る”って何もしないことじゃないー代行ではなく共に歩むを選ぶために

雨の音に耳をすませたくなる6月は、子どもの「これなあに?」にも、そっと耳を傾けてみませんか?
答えを探すよりも、その“立ち止まり”を一緒に味わう時間が、学びの種をやさしく育ててくれるかもしれません。

親子で静かな問いをたのしむ、しっとりとした6月になりますように。

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