2021年3月の台所モンテコラム

★2021年3月1日★

おうちモンテ成功のカギは「自由」の捉え方にあり

モンテッソーリ教育のデメリットとして心配される「協調性のない子」にならないかという懸念・・・
「自由を尊重すること」と「何でもやりたいようにさせること」の違いが曖昧だと、こういったデメリットを想起しがちなのではないかと思っています。

モンテッソーリ教育で尊重されている自由は「制限の中の自由」と言われています。
つまり「自由」を手に入れるには、平和で調和の取れたのコミュニティを維持するためのルールが守れることが大前提なのです。

一方で、「自由」と混同されてしまいがちな「何でもやりたいようにさせること」は、言い換えれば「放任」です。ここを間違えてしまうと、おうちモンテがうまくいくことはないでしょう。

「自由」を手に入れるためにルールを守る責任があるといっても、決まりやルールを守る力が芽生えるのは4〜5歳です。

それ以前のお子さまに「ルールを守りなさい」と言っても、それを理解をするのは難しいです。だからといって、「あれはダメ」「これはダメ」という制限は過干渉・・・「ダメ」で終わるのではなく、「やりたいこと」をとことんできるような環境をつくるにはどうすればよいかを考えることが大人の役割になります。。

大人がちょっとした配慮をできるように、必要な知識を備えておくことが大切ですね。

「ルールを守らせるにはどうすればよいか」を考えるよりも、自分の決断に責任を持つ経験を大切にしてください。そのためには、「自分で選択する」ための選択肢を提示することも大人の役割です。

「あれもこれも好き勝手にやって、尻拭いは大人にしてもらう」なんて経験を繰り返していても、規律は育まれません。
例えば、「使い終わったものは、元の場所に戻す」という約束を守ることができないなら、「①元の場所に戻して次の遊びをする」か、「②お片付けは大人がする代わりに、遊びは終わりにする」かを提示して、お子さま自身に決めてもらうのです。もし、②を選択したのであれば、どんなに泣き喚いても遊びは終わりにします。それが、自分の選択に責任を持つということです。

自分でできるようになりたくて夢中になる子どもの姿。
それは、発達に適した活動ができる魅力的な環境で、自由に選択することから始まります。

モンテッソーリ教育の環境は、そのために準備されている「整えられた環境」だからこそ自由が保証できるとも言えます。
おうちは、大人も子どもも共存する生活の場です。子どもだけのものではありません。ここにも、おうちモンテの難しさがあるのではないでしょうか。
だからといって、どうぞおうちを教室にしようとしないでください。
「整えられた環境」づくりのポイントは、
①お道具は、子どもが扱いやすいサイズの本物
②清潔で、美しいこと
③今本当に必要な活動は何かを見極める大人の眼
なのです。特に③にはゴールがありませんね。

モンテッソーリ教育のエッセンスを適度に取り入れ、大人も子どもも心地よい環境を探究することを楽しむ姿勢が大切だと思っています。

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