年度が変わり2ヶ月が過ぎましたね。
お教室では、年長学年の子どもたちが
すっかり最年長としてのリーダーシップを発揮するようになってきました。
モンテッソーリ教育では、縦割りのクラスが基本です。
それは幼児期に限らず、小学生になっても変わりません。
今回は、縦割りの異年齢混合クラス環境の効果について
マヴィのおうちでの幼児・小学生の姿をも交えてご紹介させていただきます。
お兄さん・お姉さんへの憧れが
モチベーションの幼児期
自由に歩き回るようになると、
少し歳上のお兄さん・お姉さんの活動する姿に憧れ、
真似をしたり、じっくり観察したりと、気にするようになります。
ハサミやお箸など、お道具を使っている姿に憧れたり、
作っている作品を自分も作ってみたくなったり・・・
真似ることが活動のモチベーションになっています。
マヴィのおうちのキンダークラスでも、
年少から年長までの3学年が同じ環境で活動しています。
目の前の環境のあらゆることが初めてで、
できないこと、知らないことでいっぱいの年少学年
少しずつ、1人でできることは増えてきたけれど
まだまだ不安でいっぱいの年中学年
時々お兄さん・お姉さんの姿を見せてくれたり、
目一杯歳上のお友だちに甘えてみたり…
そして、
基本的なことは概ね1人でできるようになってきて
小さなお友だちが困っていることにも気づける年長学年
どの学年であっても
自分自身をつくる活動を、
それぞれのペースで取り組んでいます。
困っているお友だちの存在に気づいたときに
自分が手伝えるなら当然手を貸すし、
みんなと同じようにできない子がいても、
その子のことをおかしいとは思いません。
様々な段階の仲間が同じ環境で共存しているからこそ、
自然と多様性を受け入れられるようにもなるのだと思います。
個の意志を尊重することで、
自分勝手な子にならないか?
集団生活ができない子にならないか?
と心配する大人がいます。
それぞれが、それぞれの立場で立ち回っている姿を見る限り
その心配には及ばないように思うのです。
学び合う児童期
小学生同士が異年齢混合クラスで向き合うと、
幼児期ほどの上下関係はなく、対等にやり合っているように見えます。
それでも、初めてだらけで不安な子には
上級生がそっと寄り添うことで成り立っています。
小学生になっても、
できること、知っていることが多い子は
それが少ない子のことをフォローして共存するスタンスは変わりません。
そして、
モンテッソーリの環境で育ってきた子たちは、
積極的に歳下のお友だちからも学ぶ姿勢ができているなと感じます。
立場を問わず、すごいなと思ったら賞賛し合うし、
誰かが困っていたら手伝うのが自然なのでしょう。
同じ歳の子が集まって一斉にスタートを切る環境では、
なかなか起こり得ないであろう光景だと思います。
個を大切にするためにも
異年齢環境は大切
モンテッソーリ教育において、
整えられた環境が重要視されています。
そして、
その環境要素のひとつに
「異年齢混合クラス」も含まれています。
個を確立するために
ひとりひとりの意思を尊重する訳なのですが、
その子がやりたいことを実現するために、
親や大人がお世話をする環境ではありません。
異年齢混合の集団の中だからこそ、
多様性を自然に受け入れて
仲間のことを考えられる人に育っていくのではないでしょうか?
個の意志を尊重することで、
自分勝手な子にならないか?集団生活ができない子にならないか?
もし、そんなことを心配してしまうのであれば、
大人が甲斐甲斐しくお世話をしすぎているのかもしれません。
何かができるようになること
そればかりに気持ちが向いてしまうと、
できないプロセスを飛ばして
できるようにするために「手出し口出し」をしてしまいます。
その「手出し口出し」が、
自分勝手な子・集団生活ができない子
に繋がるのではないかと、
多様性の中で育っていく子どもたちを見ていて感じています。
プロフィール
ママヴィ 代表|桑原 眞理子
大学卒業後、食品メーカーを中心に商品開発·マーケティング職に従事。
「こども哲学」との出会いをきっかけに子どもの斬新な発想に魅せられ、子どもの力を社会に届けたいという想いからモンテッソーリ教育を学ぶ。
子どものマーケティング思考を育む6歳からの体験型キャリア教育プログラム「こどもマーケター入門」を開発し、ワークショップ等を開催。現在は「モンテッソーリ教室 マヴィのおうち」を拠点に、マーケティング思考で自ら変化を起こすチカラを育む環境づくりに取り組む。
・日本モンテッソーリ教育総合研究所認定 3-6歳教師
・保育士
・NPO法人こども哲学 おとな哲学 アーダコーダ 理事(哲学対話ファシリテーター)
・日本野菜ソムリエ協会認定 野菜ソムリエプロ