24年6月 宇宙から始まる教育

6月になりましたね。気象庁の基準では、6月から8月が「夏」なのだそうです。

マヴィのおうちでは、夏休みイベントの準備が本格的に始まりました。
今年の夏は「宇宙」がテーマです。
今回は、宇宙から始まる教育についての想いをお話させていただきます。

大切にされている「コスミック教育」

モンテッソーリ教育の小学校では、
最も大きな枠組みである「宇宙」から始まる
「コスミック教育」が大切にされています。

あらゆるものを含む「宇宙」には自然の法則があり、
その法則に従って宇宙にある全てのものが繋がっているという考え方です。

幼児期後期あたりから
「なぜ?」とあらゆるものごとの理由を知りたくなる時期がやってきます。

その時期に「宇宙」の全体像から
少しずつ細部にフォーカスして紹介していくことで

子どもたちはそこに様々な繋がりを見つけ、
分野を超えた興味が広がっていきます。

思い返してみると、
身近なことから徐々に視野を広げていく学びでは
各論同士の繋がりに意識が向けられなかった気がします。

そして、どこかでつまづいたときに、
その分野を「苦手」認定してしまって敬遠していたようにも思います。

私は、モンテッソーリ教育を学び
「地理」「生物」「歴史」「言語」「数」「幾何学」「芸術」「音楽」
全てがつながっていく面白さに魅了されました。

幼児期は「宇宙への興味」の種まきを

私たちが暮らす「太陽系」は親しみやすく、
「宇宙」規模でものごとを考える第一歩にふさわしい素材ではないでしょうか。

キンダークラスの環境にも
太陽系の惑星模型や絵カードなど各種取り揃えており、
年少学年の子からそれぞれのペースで親しんでいます。

お誕生日になると、
太陽に見立てたキャンドルの周りを
地球儀を持って歳の数だけ回るセレモニーがあります。

最初は「???」という様子で参加している子も、
年に一度のセレモニーを繰り返すことで
地球の「公転」について体験的に学んでいます。

アースデイがある4月にグループ活動で実施する
「粘土の地球」づくりは学年問わず人気です。

年長学年になると
「太陽系の本」を作ることが好きな子もいます。

このように、
手しごとが大好きな幼児期は、
細かな説明よりも
動きながら親しむ「活動」を大切にしながら
「宇宙」という大きな枠組みを紹介したいと思っております。

実は、ご縁があって
元JAXA研究員のゆうこ博士が開発した
「ひっぱれ!動く3D惑星模型」に出会いました。

キャラクター化した太陽系の10天体と
10種の多面体が組み合わさった立体模型工作です。

平面の展開図を紐で引っ張って立体にするだけでも
ニヤニヤしてしまう楽しさがありました。

なんと!!

今年の夏休みは、コラボイベントとして
この模型を作るワークショップ(年長学年から小学生が対象)
を開催できることになりました。

古代エジプトから始まった幾何学(geometry)は、
ギリシャ語の地球(geo)と測定(metria)が語源だといいます。

「太陽系」と「幾何学」を組み合わせることで、
様々な分野に興味が広がっていく予感がして
私自身が、とにかくわくわくしています。

7/29実施 7/29実施 わくわく惑星工作

生命と宇宙の関係性

モンテッソーリは、
私たちが暮らす「地球」に誕生した生命には
それぞれに「宇宙的使命」がある
と考えていたそうです。

ですから「コスミック教育」の中でも、
生命のはじまりは大切なトピックとして語り継がれています。

キンダークラスでは、
動物や植物のパズルや絵カードを通して
生物の世界にも親しんできました。

ステンシルアートで「カエルの一生」を描くおしごとも人気です。

やはり、幼児期には
動きながら親しむ「活動」が中心です。

動物園や水族館に行ったり、
屋外で昆虫を探したり、
植物を育てる体験もよいですね。

年長学年くらいになると、
例えば大好きなペットを観察したことと
お教室で作った本やアートを結びつけて考える子も出てきます。

それが、児童期になると
もう少し学びを掘り下げることもできるようになります。

今年の夏休みは、
興味に火をつけるものがたりから始まる「サマースクール」と
実験から始まる「コラボイベント」を準備しています。

壮大な生命の歴史に触れたり、
生命の基本的設計図であるDNAに親しむことで、
時代を超えて受け継がれてきた「生命」への興味に繋がることを願っています。

8/5実施 わくわく研究者体験(DNA抽出実験)

専門家に繋げたいという想い

様々なことに対して
「なぜ?」
と知りたがる児童期の子どもたちの姿を目の当たりにして
その道の専門家を引き合わせたいという想いが強くなりました。

もちろん
私には手に負えない「なぜ?」に答えてもらいたい
という側面もあるのですが

専門家でも全ての答えを知っているとは限らない
ということに気づいて欲しい気持ちも強くあります。

今回、夏休みにコラボさせていただくゆうこ博士とも

少人数制のアットホームな雰囲気の中で
専門家に答えを聞くのではなく、
専門家と一緒に問い、考えることを楽しむ「わくわくする学び」

を大切にしたいというお話をしました。

以前、腸内細菌の研究者にお話を伺う機会があり
印象に残っている言葉があります。

研究者は
師匠に教えを乞うのではなく
師匠の想いを受け継ぐ

今まで出会った「専門家」の皆さんは
知ったかぶりをせず、
愚直に専門分野と向き合っていらっしゃいました。

まだ分からないことがある
だから探究を続けている

その姿勢に出会い、刺激を受ける環境を整えるべく
夏休みに向けて、精一杯準備して参ります。

プロフィール

ママヴィ 代表|桑原 眞理子

大学卒業後、食品メーカーを中心に商品開発·マーケティング職に従事。
「こども哲学」との出会いをきっかけに子どもの斬新な発想に魅せられ、子どもの力を社会に届けたいという想いからモンテッソーリ教育を学ぶ。
子どものマーケティング思考を育む6歳からの体験型キャリア教育プログラム「こどもマーケター入門」を開発し、ワークショップ等を開催。現在は「モンテッソーリ教室 マヴィのおうち」を拠点に、マーケティング思考で自ら変化を起こすチカラを育む環境づくりに取り組む。
・日本モンテッソーリ教育総合研究所認定 3-6歳教師
・保育士
・NPO法人こども哲学 おとな哲学 アーダコーダ 理事(哲学対話ファシリテーター)
・日本野菜ソムリエ協会認定 野菜ソムリエプロ

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