25年1月 新年だから考えたい「親子のデジタル時間」

気づけばスマホを手に取りがちな自分や、ゲームに夢中になる子どもの姿にハッとしたことはありませんか?新しい年の始まりだからこそ、親子でデジタル時間の過ごし方を見直してみてはいかがでしょうか。

小さいうちは、デジタルよりも五感を使ったリアルな遊びが心や体の発達にとって大切です。幼少期の子どもたちにとって料理、外遊び、ブロックや絵本、親子での会話など、アナログな体験が持つ価値は計り知れません。
デジタルに頼らない日常が、集中力を鍛えます。想像力や問題解決力も伸びやすく、他者とのコミュニケーション能力が育つため、子どもの心と体を育てます。

もし、まだお子さまにスマホやゲームを与えていない場合、手にするタイミングはぜひ遅らせることを意識してみてください。
とはいえ、デジタル機器に囲まれた現代は、スマホやゲームが生活の一部になっている家庭も少なくないと思います。既に生活の一部になっていたとしても、今から「使い方」を見直すことで、子どもに良い影響を与えることもできますので、ご安心ください。

2018年のアメリカ心理学会の研究によると「他の活動に集中することで、自然とデジタル端末から離れる時間が増える」という結果が報告されています。スマホにしろ、ゲームにしろ、他にやりたくなる楽しい実体験ができる環境づくりがポイントになるということです。
例えば、親子で月ごとの「アナログチャレンジ」を設定し、「今月は一緒に新しい本を読む、来月はガーデニングを始める」などを決めるのも一案です。

小学生の6割以上がスマホを利用しているといいます(保護者のスマホを借りて使用も含む)。そして、その半数近くがスマホを取り上げられて親子関係が悪化しているというデータもありました。
そして、親がスマホを見る時間が長いと、子どもも真似をして依存しやすくなる傾向にあります。見守り用アプリを入れるだけでは不十分です。実際に親子でルールを作ることを心がけましょう。

具体的なルール作りのステップ:
1.各自のスマホ利用時間を確認する。
2.家族全員で理想的な使い方について話し合う。
3.無理なく守れるルールを親子で設定。

例えば、夕食前後の17時~20時など家族全員が実践しやすい時間帯に『スマホオフタイム』を設定するのはいかがでしょうか。その時間に親子で夕食を作ったり、食後には絵本を読んだり、ボードゲームをしたりするとなど、アナログ活動で楽しむ方法を一緒に考えます。冬は早くから暗くなるので、外に出て夜空を観察するのもお勧めです。
親も一緒にルールを守ることで、子どもへの影響力がアップします。

ゲームが「娯楽」から「依存」に変わる瞬間とはなんだと思いますか?長時間のゲームが子どもの睡眠や学びの時間を圧迫する可能性があります。
スマホ同様、取り上げるなど「禁止」するよりも「ルール作り」で子どもと協力することが大切です。

提案:どうせやるなら「親子対話」に繋げる
ゲームの時間制限は、平日は20~30分、休日は家族と相談して最大1時間程度までにするのが理想的です。ただし、長時間になりがちな場合は、間に休憩を挟んだり、クリアした後は感想を話し合う親子対話の時間を設けると、単なる遊び以上の価値が生まれます。
例えば、
「一番楽しかった場面はどこ?」
「次はどうやってクリアしたい?」
このような問いかけを通じて、ゲームの時間が単なる娯楽ではなく、親子の絆を深める時間に変わります。
親子で一緒にスマホやゲームのルールを考える時間も、それ自体が貴重なコミュニケーションの場になります。大切なのは完璧を目指すことではなく、少しずつでも家族みんなが笑顔で向き合える環境を作ることです。

スマホやゲームを遅らせることは、子どもの未来への最高のプレゼントです。
でも、すでに取り入れている場合も、家族で話し合いながら工夫していくことで、デジタルに依存しない、心豊かな生活を育むことができます。ここで完璧を目指す必要はありません。少しずつ取り組むだけで大丈夫です。新しい年が、家族みんなにとって楽しい時間に満ちたものとなりますように。

プロフィール

ママヴィ 代表|桑原 眞理子

大学卒業後、食品メーカーでの商品開発・マーケティング職を経験。子どもの柔軟で斬新な発想に触れる中で、「子どもの力を社会に届けたい」という思いを胸にモンテッソーリ教育を学びました。
その後、子どものマーケティング思考を育む体験型プログラム「こどもマーケター入門」を開発し、ワークショップや講演活動を実施。現在は、「モンテッソーリ教室 マヴィのおうち」を拠点に、子どもたちが自ら変化を起こす力を育む環境づくりに取り組んでいます。
さらに、地方の古民家を活用した新しい学びの場「古民家留学」のプロデュースをスタート。デジタルデトックスと自然体験を掛け合わせた独自のプログラムを通じて、子どもたちが地域との繋がりを深め、主体的に学ぶきっかけを提供しています。

【資格・活動】
日本モンテッソーリ教育総合研究所認定 3-6歳教師
保育士
日本野菜ソムリエ協会認定 野菜ソムリエプロ

*「日常の中に学びを」をモットーに、子どもたちと家庭を繋ぐ教育の可能性を広げています。

関連記事

PAGE TOP