25年2月 節分を通じて心と学びを豊かに

春の兆しを感じ始める2月、皆さまいかがお過ごしでしょうか。寒さがまだ厳しいこの時期ですが、季節の行事を通じて心を温め、家族で楽しいひとときを過ごしたいですね。2月の代表的な行事といえば「節分」。今年は、節分を単なる伝統行事として楽しむだけでなく、学びと成長の機会に変えてみてはいかがでしょうか?

節分には、「年齢の数だけ豆を食べる」という風習があります。この伝統を活用して、子どもたちに数の概念を教える場にしてみましょう。例えば、数字カードを用意して、以下のステップで学びを深めます。

数字を見る:「これは“5”という数字だね」
数詞を読み上げる:「“ご”と読むんだよ」
数量を感じる:「では、豆を5つ数えてみよう」

こうすることで、「数字」「数詞」「数量」の三者を一致させる経験を通じ、子どもたちは数の概念をより深く理解できます。この学びは、モンテッソーリ教育で大切にされる「具体物から抽象への移行」を支える大切な要素です。

また、豆を一緒に数える体験は、親子での楽しい時間にもなります。子どもたちが自分の手で豆を触り、数えることで、自然に数への興味が育まれるでしょう。

お教室で人気の絵本「おにわそと」は、鬼と人々の交流をユーモアたっぷりに描いた物語です。この絵本を通じて、鬼をただ怖い存在として捉えるのではなく、「どんな気持ちでいるのかな?」「なぜ悪さをするのかな?」といった視点を持つきっかけを与えることができます。

例えば、絵本を読み聞かせた後にこんな問いかけをしてみてはいかがでしょうか:

「鬼が悲しいと感じることってどんなことだろう?」
「自分が鬼だったら、どんな風に行動する?」
「もし鬼と仲良くなれるとしたら、どんなことをする?」

こうした対話を通じて、子どもたちの想像力や共感力を育むことができます。モンテッソーリ教育が大切にする「他者への理解」や「多角的な視点」を学ぶ絶好の機会です。

節分といえば、恵方巻を無言で食べる習慣も定着しています。今年の恵方は「東北東」。家族でコンパスを使い、方角を確認してみることで、子どもたちの地理や方向への興味を引き出すきっかけになります。

恵方巻を食べるときに「静かに願いを込める」体験は、集中力を育む時間になります。家族みんなで同じ方向を向きながら心をひとつにする時間は、普段の忙しい日々では得がたい貴重なひとときです。

節分は、ただ豆をまいて恵方巻を食べるだけの行事ではありません。数字の概念を学んだり、絵本を通じて多角的な視点を育んだり、集中力を体験したりと、子どもたちの成長を支える要素がたくさん詰まっています。

今年の節分は、ご家庭で「学び」を取り入れながら楽しんでみてはいかがでしょうか?子どもたちの小さな気づきや発見が、家族全員にとって特別な時間を作ることでしょう。たくさんの福が皆さまのご家庭に訪れることを願っています。

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