25年3月 春の衣替え 〜服をたたむ練習から広がる自立の一歩〜

冬から春へ、季節の移り変わりを感じる3月。少しずつ暖かくなり、お洋服も軽やかなものへと変わっていく時期ですね。この衣替えのタイミングは、子どもたちにとって「自分でできること」を増やす絶好のチャンスです。
衣替えをきっかけに、たたむ練習を
子どもにとって、洋服をたたむことは 手と目の協調 や 順序立てて考える力 を育てる大切な経験になります。最初は「お手伝い」という形で一緒にやりながら、少しずつ「自分のものは自分でたたむ」という習慣へとつなげていきましょう。

洋服をきれいにたたむのは、大人でも意外と難しいもの。特に子どもは、左右のバランスをそろえたり、折る位置を決めたりするのが苦手なことがあります。そこで、ダンボールや厚紙を「型」として使い、色付きのガイドをつける と、形を揃えやすくなります。

色付きガイドの作り方
ダンボールや厚紙の 端にマスキングテープを貼り、色ごとに折る順番を決める と、子どもが迷わず進められます。
<例えばこんな色分け
>
🔴 右サイド → 赤(最初に折る)

🟢 左サイド → 緑(次に折る)

🟡 下側(裾)→ 黄色(最後に折る)

<身近で手に入るアイテム>
・ 梱包用の薄型ダンボール(百円ショップ)
・ クラフトボードや厚紙(文房具コーナー)

・ マスキングテープ(赤・緑・黄)(カラーバリエーション豊富)

<アレンジのアイデア>
・子どもと一緒にマスキングテープを貼ると、愛着が湧いて楽しくなる

・収納するときも「赤を先に折ったらいいんだよね」と、考える力が育つ

モンテッソーリ教育では、子どもに何かを伝えるとき 言葉よりも「動作」で示す ことが大切です。

・ゆっくり、簡潔にたたんで見せる

・余計な説明はせず、動きを目で追えるようにする

・必要なら、最小限の声かけで補助する

たたむ流れ(声かけの例)
① 大人がたたむ様子を見せる(無言でゆっくり)

② 子どもが試してみる(必要なら補助)

③ 「どうだった?」と感想を聞く

「こうするんだよ」と教え込むのではなく、子どもが自分の手で試しながら、「どうすれば形が揃うか?」を発見する ことが大切です。

たたんだ洋服を、自分の収納スペースにしまうところまでやってみると、より自立への意識が高まります。最初は多少形が崩れてもOK! 「自分のものを自分で整える」 ことの積み重ねが、子どもたちの 自信 につながります。
春の訪れとともに、お洋服の管理を通して 「自分でできる!」の第一歩 を応援してみませんか?

プロフィール

ママヴィまなびのキ 代表|桑原 眞理子

1977年生まれ、東京都八王子市出身。
工学院大学 工学部 応用科学科卒。

企業での商品開発・マーケティングに17年間従事し、暮らしに寄り添う価値づくりを追求する中で、子どもたちの自由な発想と出会い、「子どもの力を社会に届けたい」と強く感じ、教育の道へ。
モンテッソーリ教育を学び、2019年より東京都府中市にてモンテッソーリ教室「マヴィのおうち」を主宰。保育士資格と実践経験を活かし、家庭教育支援と探究的な学びの場づくりを行ってきた。

現在は、「五感をひらく暮らし」と「問いを育む学び」をかけ合わせた「古民家留学こどもMBA」を展開し、地域の自然や文化と出会うリアルな探究体験を届けている。

自らもがん闘病の中で“今を生きる問い”と向き合いながら、教材開発や社会起業へと挑戦中。教育を社会インフラとして広げることをビジョンに掲げ、子どもたちに“わたしを生きる力”を届けるための実践を重ねている。

【資格・活動】
日本モンテッソーリ教育総合研究所認定 3-6歳教師
保育士
日本野菜ソムリエ協会認定 野菜ソムリエプロ

Mariko Kuwabara
Montessori-based / Japan
Learning starts with “ん?” not “Aha!”

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