24年7月 人類の起源と幼児期

エレメンタリーメンバーの興味に導かれ、
現在は、「人類の起源」について私自身が様々な書籍で学びを深めています。

元々、暗記が多い「歴史」の授業が苦手だった私なのですが、あまりにも奥が深くて今や歴史に魅せられる日々を送っております。

そして、「人類の起源」を辿っていると、幼児期の子どもの発達とリンクすることばかりです。

今回は、この学びから今私が感じていることについて書きました。

700万年弱を幼児期の6年に圧縮した
人類の進化

人類がチンパンジーとの共通の祖先から分岐したのが
約700万年前
現在見つかっている最古の人類は
「サヘラントロプス・チャデンシス」です。
今から20年ほど前に頭部の骨が発見されました。

骨の形から恐らく二足歩行できていたであろう
と考えられることから
これが人類の祖先だと考える科学者がいる一方で、

ゴリラの祖先だと考える科学者もいるそうです。

エレメンタリーメンバーとその復元イラストを見ると
「ゴリラだね・・・だってパンツ履いていないもん」
と、ひとしきり盛り上がっていました。

とはいえ人類は、
「二足歩行をする」ことから始まりました

ここからどのように系統が繋がってきたかは
未だに謎だらけだそうですが、
約240万年前に初期の「ホモ属」である
ホモ・ハビリスが現れます。

「ホモ属」の特徴には、
完全な二足歩行の獲得や、道具の使用などがあります。

道具を使用することで、生活はどんどんよくなりました。
より栄養豊富な食事ができるようになり、さらに脳が発達しました。

私たち「ホモ・サピエンス」は
約30万〜20万年前、
恐らくアフリカで誕生しただろうという説が有力
です。

それから10万年以上アフリカで暮らす中で
「ホモ・サピエンス」は
「言葉」という新たな道具を開発します。

一体、最初の「言葉」は何だったのか?

この問いで子どもたちと対話をすると、
何とも楽しくなるのですが・・・

それはさておき、
「言葉」という道具を獲得した人類は
6万〜5万年前に
アフリカから世界に散らばっていった
といいます。

現在、この約700万年前から5万年前までの歴史は
幼児期の間に獲得できるほどに進化しました。

現代人は多くの場合、
生まれてから1年半程度で
二足歩行ができるようになります。

二足歩行ができることで、両手の自由が生まれ
手しごとができるようになります。

手指を使えば使うほど、脳が活性化していきます。

すると
より複雑なことを考えたり、
作り出すことができるようになります。

幼児期は、
人類に文明が誕生するまでと似ていると思いませんか?

手しごとができる環境づくりが大事

こうやって人類史と比較してみると、
700万年の歴史をわずか6年程度に縮めるヒントは
「敏感期」なのかもしれません。
生まれながらに「自己教育力」が備わっていることも、
人類の進化と考えると納得です。

そして、幼児期後期になると
それまでに獲得してきたことを軸に
洗練・発展していきます。

いずれにしても
幼児期は、動きながら学ぶ時期です。

でも、現代の私たちの生活は
食器は食器洗い機がしてくれるし、
掃除はお掃除ロボットが知らぬ間にやってくれる
までになりました。

水を出すのもセンサーで・・・
というご家庭も多いのではないでしょうか。
少なくとも、手首を捻って回すタイプの蛇口はほとんど見なくなりました。

便利になる一方で、
自然に手しごとができる環境は減ってきています。

だからこそ、
手しごとができる環境づくりに気を配ることが
一昔前より大切になってきたと感じます。

難しく考えなくて大丈夫!!

では、ご家庭で何をしたら良いと思いますか?

真っ先にできるのは台所しごとです。

レタスを千切ることなら1歳からできます。

プチトマトのヘタを取ることも、
比較的早い段階からできます。
お水の入ったボウルを通せば、洗うこともできますね。

そういった単純な作業から始めて、
少しずつ難易度を上げていけばよいのです。

このときに心がけたいのは、
任せたことにはあれこれ口出ししないということです。

「汚れるからやらせない」のではなく
汚れる可能性があるなら
汚した時の対処法を事前に伝えておきます。

工程が複数あるなら、
一つずつ分けて紹介します。

食は生きるための基本です。
作るよりも、食べること
に意識が向いてしまうこともあるでしょう。
そんな日があってよいのです。

また、
大人側がストレスにならないことも
大切なこと
だと思います。

ぜひ、親子で「楽しめる」ことを前提に
手しごとを探ってみてくださいね!

参考)ビジネス教養・超速アップデート 図解版 人類の起源/中央公論新社

プロフィール

ママヴィまなびのキ 代表|桑原 眞理子

1977年生まれ、東京都八王子市出身。
工学院大学 工学部 応用科学科卒。

企業での商品開発・マーケティングに17年間従事し、暮らしに寄り添う価値づくりを追求する中で、子どもたちの自由な発想と出会い、「子どもの力を社会に届けたい」と強く感じ、教育の道へ。
モンテッソーリ教育を学び、2019年より東京都府中市にてモンテッソーリ教室「マヴィのおうち」を主宰。保育士資格と実践経験を活かし、家庭教育支援と探究的な学びの場づくりを行ってきた。

現在は、「五感をひらく暮らし」と「問いを育む学び」をかけ合わせた「古民家留学こどもMBA」を展開し、地域の自然や文化と出会うリアルな探究体験を届けている。

自らもがん闘病の中で“今を生きる問い”と向き合いながら、教材開発や社会起業へと挑戦中。教育を社会インフラとして広げることをビジョンに掲げ、子どもたちに“わたしを生きる力”を届けるための実践を重ねている。

【資格・活動】
日本モンテッソーリ教育総合研究所認定 3-6歳教師
保育士
日本野菜ソムリエ協会認定 野菜ソムリエプロ

Mariko Kuwabara
Montessori-based / Japan
Learning starts with “ん?” not “Aha!”

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