今回は、おうちモンテについて少し学んだ方向けの内容です。
学んだことを試してみたい!とワクワクしている大人にとっての落とし穴
大人主体の環境にならないために意識していただきたいことについて書きました。
環境と子どもを結びつける「提示」
モンテッソーリ教育の環境では、
教具の正しい使い方が決まっています。
初めてそれに触れる子どもたちには、
その正しい使い方をゆっくりとしたスピードでやって見せて伝えます。
言葉ではなく、行動で「見せる」ことがポイントです。
そして、
提示を見て集中する子どもの姿を目の当たりにすると、
大人もワクワクしますね。
でも、実際におうちでやってみると・・・
・さっぱり見てくれない
・すぐに他のことに目移りしてしまう
・見せた通りにやってくれない
・見ていたハズなのに、やり方がめちゃくちゃ
なかなかうまくいかずに苦戦している方も多いのではないでしょうか?
そんなとき、ついつい出てくるNGワード
「そうじゃないでしょ」
「ちゃんと見てた!?」
「早くしなさい!!」
これを言ってしまうと負のスパイラルにはまっていきますね。
環境と子どもを結びつけるどころか、
どんどん遠ざけてしまいます。
どうして、こんなことになってしまうのでしょうか。
今回は、
この負のスパイラルにはまらないための心構えについてお話しいたします。
間違えを訂正するのは子ども
モンテッソーリ教育を子育てに取り入れようと思い、
学んでいる方であればご存知だと思います。
「間違えを訂正するのは子ども自身」ですよね。
ご存知ですよね・・・?
でも、「正しいやり方を身につけてほしい」という親心から
ついうっかり、
よかれと思って間違えを指摘してはいないでしょうか?
変な癖がついたら大変!というお気持ちも分かります。
でも、大人がすべきは言葉での指摘ではないのです。
自己訂正できる環境
モンテッソーリ教育では、
誤りがあれば子ども自らが気づくことができる工夫を大切にしています。
・間違えると、ピースが余る
・間違えると、秩序が乱れて美しくない
・間違えると、想定通りに仕上がらない
そんな時、子どもは自分から
「あれ?なんか変!!」
と気づくようになります。
大人が手を出そうとすると、
「自分でする!」と手を振り解きますよね。
子どもだって、自分で訂正したいのです。
大切なことは
「受け止める力」と「根気強さ」
とは言っても、
「なんか変!」にまだ気づけないことは多々あります。
もし気づかないのであれば、
今はその段階だと現状を受け止めることが大切です。
また、
気づかないのは、
正しいやり方を知らないからかもしれません。
であれば、
何度でも根気強く、正しいやり方を見せて伝えることが大切です。
「自分でする!」という気持ちが強すぎて見てくれないかもしれません。
でもそれは、
その子が知りたい部分を見せていないから見ないのです。
自分で気づく環境は、
その子自身を観察して初めて導くことができます。
今、どんなことに集中していますか?
夢中になるポイントは何だと思いますか?
これが、今紹介したいおしごとにつながります。
やりたいのにできず、
気持ちが萎えてしまうポイントはどこですか?
これが、大人が間接的にサポートすべきポイントです。
そういった試行錯誤から生まれる
親子のコミュニケーションこそが、
何者にも変えがたい財産になっていきます。
そして、
「できない」段階も含めて
プロセスを楽しく見守ろうとする気持ちが、
一番大切ではないかと思います。
大学卒業後、食品メーカーを中心に商品開発·マーケティング職に従事。プロフィール
ママヴィ 代表|桑原 眞理子
「こども哲学」との出会いをきっかけに子どもの斬新な発想に魅せられ、子どもの力を社会に届けたいという想いからモンテッソーリ教育を学ぶ。
子どものマーケティング思考を育む6歳からの体験型キャリア教育プログラム「こどもマーケター入門」を開発し、ワークショップ等を開催。現在は「モンテッソーリ教室 マヴィのおうち」を拠点に、マーケティング思考で自ら変化を起こすチカラを育む環境づくりに取り組む。
・日本モンテッソーリ教育総合研究所認定 3-6歳教師
・保育士
・NPO法人こども哲学 おとな哲学 アーダコーダ 理事(哲学対話ファシリテーター)
・日本野菜ソムリエ協会認定 野菜ソムリエプロ