2021年も残すところあと1ヶ月・・・
大掃除、クリスマス、大晦日、お正月など様々な季節イベントが続きます。
特に、日本では「年神様」をお迎えして五穀豊穣に感謝するお正月は、文化的な体験のチャンスが広がっていますね。
「文化の敏感期」が始まるのは早くても4歳半ごろです。「どうしてお正月はおめでとうなの?」など、「なんで?」「どうして?」が始まったら、その探究心を自分で深めていけるように調べ方や、考えるヒントとなる素材を提供するのが大人の役割ですね。
とはいえ、特に幼児期は「文化を伝える」ということは意識し過ぎず、文化的な営みの中で「動きながら学ぶ」機会、文化に楽しく親しむ機会を大切にしたいものです。
「大掃除」で役割を担ってもらう
日本古来の文化のひとつである「大掃除」とは、
新年に年神様(ご先祖さま)を
綺麗な家にお迎えするために行われるもので、
平安時代に「煤払い」としてスタートしたといいます。
地域によって多少違いはあるものの、
主に12月13日から始めて大晦日までに終われせるのが基本です。
さて、幼児期のお子さまにとって
「掃除」は魅力的な活動だということご存知ですか?
窓を拭く、
霧吹きを使う、
雑巾を絞る、
箒とちりとりを使う、
どれも自分でやってみたいのです。
歩行が安定して、お道具も使えるようになってきたら、
何かひとつ
「これはお願いね!」と任せてみてはいかがでしょうか?
もちろん、
完全に綺麗にはできないかもしれません。
仕上げは大人がやる前提でもよいと思います。
単純な作業のやり方を、
ゆっくり丁寧に見せてからお願いすることが大切です。
簡単「お節料理」にチャレンジ
年神様にお供えして食べる「お節料理」も、
日本のお正月文化です。
昔ながらの重箱に詰めた本格的なものを準備しなくても、
親子で楽しみながら簡単なものをいくつか作ってワンプレートに盛り付けるだけでも十分です。
2歳ごろからのお勧めは「かまぼこの飾り切り」です。
「かまぼこ」であれば、
バターナイフでも切ることができますし、
ストローや型抜きを使って様々な形にくり抜くことも簡単です。
かまぼこ屋さんのサイトを見ると、干支の飾り切りなど参考になりますよ!
飾り切り初心者にお勧め→市松切り(鈴廣かまぼこ株式会社ウェブサイトへ)
その他、「栗きんとん」や「たたきごぼう」
などもお子さまが食べやすい味ですし、
「つぶす」「たたく」「擦る」など工程の一部からお任せしていくとよいと思います。
巧緻性を育む「コマまわし」
お正月あそびの中でも、
手指の操作が楽しめるのは「コマ」ですね。
指先で回すコマ、
紐を巻き付けて引いて回すコマ、
紐を巻きつけて投げて回すコマなど様々な種類があります。
お子さまの発達に応じて、楽しくチャレンジできるものを準備したいですね。
手首が安定する前から楽しめる「スターコマ」は、
ラトルとしても大活躍の優れものです。
細かな操作ができるようになったら、
百円ショップなどでも手軽に購入できる「逆立ちゴマ」もお勧めです。
文字の敏感期には「かるたあそび」
4歳前後から、
文字の敏感期のお子さまにお勧めなのが「かるたあそび」です。
勝負というよりは、
文字を見つけて取るプロセスを楽しむのが幼児期かもしれません。
大きく読みやすい字体で、
できるだけシンプルなものをお勧めします。
また、
小学校で百人一首を暗記させられた経験
がある方も多いのではないでしょうか?
「坊主めくり」で
幼児期から百人一首に親しむのもお勧めです。
我が家のお正月は、
子どもたちが集まって百人一首大会をするのが恒例となっています。
幼児期は「○○ちゃん専用札」を決めて、
その子だけが取れる配慮をして参加してもらうのが我が家のルールです。
それが、6歳くらいになると
上の句と下の句に分かれていることに気づき
(上の句で取れる年長者に「ズルい」と思い始めます)、
小学校に上がると少しずつ歌を覚えることにも興味が芽生えるようになります。
そうやって幼児期から自然に親しむことで、
「暗記させられる」ことなく
百人一首の時間を楽しむことができるのです。
1977年生まれ、東京都八王子市出身。プロフィール
ママヴィまなびのキ 代表|桑原 眞理子
工学院大学 工学部 応用科学科卒。
企業での商品開発・マーケティングに17年間従事し、暮らしに寄り添う価値づくりを追求する中で、子どもたちの自由な発想と出会い、「子どもの力を社会に届けたい」と強く感じ、教育の道へ。
モンテッソーリ教育を学び、2019年より東京都府中市にてモンテッソーリ教室「マヴィのおうち」を主宰。保育士資格と実践経験を活かし、家庭教育支援と探究的な学びの場づくりを行ってきた。
現在は、「五感をひらく暮らし」と「問いを育む学び」をかけ合わせた「古民家留学こどもMBA」を展開し、地域の自然や文化と出会うリアルな探究体験を届けている。
自らもがん闘病の中で“今を生きる問い”と向き合いながら、教材開発や社会起業へと挑戦中。教育を社会インフラとして広げることをビジョンに掲げ、子どもたちに“わたしを生きる力”を届けるための実践を重ねている。
【資格・活動】
日本モンテッソーリ教育総合研究所認定 3-6歳教師
保育士
日本野菜ソムリエ協会認定 野菜ソムリエプロ
Mariko Kuwabara
Montessori-based / Japan
Learning starts with “ん?” not “Aha!”