<<毎月書かせていただいているながらモンテ。6月7月は番外編で、7歳の長男との日々について少し綴っています。>>
こどもたちと向き合っているとついついいろんな場面で「余計な一言」を言ってしまいませんか?今回は、大人にとっては些細な一言でもこどもにとってものすごく大きな影響力を持っていることがあるかもしれない、ということについて書いています。
2歳のだんだんとの日々も本当にいろんなことがあるのだけれど、いつも感じているのは7歳の長男との日々よりはかなりシンプルである、ということ。常に先を走る長男はトラブルや成長の過程でのいろいろも全て先取りしてくれるので、長男との出来事は私にとっても初めてが多く、初めてが多いからこそ、喜びも大変さも常に倍になるわけだ。
子育ての中で観察がとても大切で、観察こそ私という親の役割だ、と教えてくれたのもまさにその長男なのだけれど、最近その観察に加えて実は大切だった、ということが一つ分かったのでせっかくなのでここに書いておこうと思う。
小学校2年生になる長男は凸凹タイプで、できることとできないことの差が非常に大きい。彼のすごいところは本当に没頭できることで、自分の好きなことにはとことんまっすぐでぶれない。最近はとにかく本が好きなので、ずっと本を読んでいる。最近の彼の私生活はほとんどが本の中にあるのではないかと思うくらい、家で見る彼の視線の先には必ずと言っていいほど本がある。しかし当たり前だけれど得手不得手はあって、没頭できる反面切り替えは苦手だし、一人で本の中に入り込むことは得意でも大人数で遊ぶことや、人と同じことをすることは好まない。没頭が得意な彼を本当に素晴らしいなと思っているにもかかわらず、親とはなぜか「できない」ことや「不得手」なことに目が行きがちな存在だと思う。ニュートラルな視点で彼を観察しようと思っていても、実は常に苦手な部分ばかりに目を向けてしまい、ついつい口を出してしまいがちになってしまうのだ。
そんな私が最近とにかく意識していることがある。それは、彼を見るときにその視点の中に常に「肯定」の意識を入れておくよう努めること。できるだけ多くの時間彼らが何を感じているのか、何を考えているのかを見続けることが親の役目だと思っていたし、それを実践してきたのだけれど、その視点はニュートラルにしようと思っても難しい。なぜなら私が親だからだ。こどもたちのことを大事に思いすぎて、できないことを見つけてしまう力にものすごく長けていて、その力の影響力は非常に大きい。だからこそ肯定的でいることを意識したい。断片的にでも、部分的にでも。本を読んでばかりでともだちと群れない彼を見つけた時、まずは彼のすごいところを意識すること。
「集中力がすごい」「あれだけ本を読めることがすごい」「好きなことがあるって素晴らしい」。
肯定の意識をもって観察をすることは、色んなことを気づかせてくれるし、何より長男自身への私の声掛けや態度も大きく変化していることを感じている。
一番身近にいる大人だからこそ、一番こどもを認められる存在でいたいもの。それ自体はとても難しくチャレンジングなものに思うけれど、日々観察する自分自身の目にほんの少しでもいい、肯定の意識を入れること。ちょっとずつ続けていければと思っている。
上智大学心理学科卒業後、外資系コンサルティング企業にて主に金融関係のプロジェクトに従事。その後欧州系コンサルティング企業の立ち上げに参画。人事関連の責任者として、社員ひとりひとりのキャリアを見据えた新たな評価、育成制度を構築。プロフィール
鳥羽瀬(とばせ) 有里
現在はポートフォリオワーカーとしてあらゆる職種業種の仕事に携わりながら2児の男子を子育て中。