24年12月 年末のお片付け・整理整頓と子どもの役割

〜机を洗うおしごとで一年を締めくくる〜

12月になると、マヴィのおうちでは恒例の「机を洗うおしごと」が始まります。この活動は、一年間お世話になった机をピカピカにし、感謝の気持ちを表すとともに、環境を整える力を育む大切な行事です。
マヴィのおうちでは、通称『お姉さん先生』として活躍する小学生スタッフが、この机を洗うおしごとを担当しています。 年下の子どもたちのお手本となりつつ、責任感を持って作業を進める姿はとても頼もしく、成長を感じられる瞬間でもあります。

準備
お姉さん先生たちは、雑巾やバケツ、泡立てネット、石けんなど必要な道具を自分たちでそろえます。この準備段階から、道具の選び方や段取りを考える力が自然と育まれます。

洗う
木製の机を洗う際、水を使いすぎないように注意し、石けんの泡を活用して洗います。まず机の表面を軽く拭き、汚れが目立つ部分にはヤスリをかけて整えます。その後、ぬるま湯と泡立てネットで固形石けんを泡立て、きめ細かい泡を作ります。ここが一番楽しそうです。
机いっぱいに泡を広げたら、固く絞った布で泡を丁寧に拭き取り、最後に乾いた布で仕上げます。五感を使った作業の中で「集中する力」を養う良い機会です。

仕上げ
午前中に泡洗いを終えたら、午後は蜜蝋ワックスを使って仕上げます。布巾に少量のワックスを取り、机全体に丁寧に塗り込んでいきます。この「仕上げ」の工程では、「最後まで責任を持つこと」の大切さを学ぶことができます。

この活動を通して、お姉さん先生たちはさまざまな力を身につけています:

  • 物を大切にする心:「ありがとう」の気持ちを込めて机を磨くことで、日々の環境や周囲への感謝の心が育まれます。
  • 自主性と責任感:「スタッフ」として役割を持ち、最後まで作業をやり遂げる経験が、自信と成長につながります。
  • 社会的な気づき:ワックスがけをしながら「学校の先生たちもこんなに大変なことをしてくれていたんだね」と気づき、感謝の気持ちを共有してくれたこともありました。

この「机を洗うおしごと」は、家庭でも簡単に応用できます。
たとえば、ダイニングテーブルや椅子を子どもたちと一緒に磨いてみるのはいかがでしょうか?
「ありがとう」の気持ちを込めて掃除をすることで、ただの作業が特別な時間に変わりますよ。

プロフィール

ママヴィまなびのキ 代表|桑原 眞理子

1977年生まれ、東京都八王子市出身。
工学院大学 工学部 応用科学科卒。

企業での商品開発・マーケティングに17年間従事し、暮らしに寄り添う価値づくりを追求する中で、子どもたちの自由な発想と出会い、「子どもの力を社会に届けたい」と強く感じ、教育の道へ。
モンテッソーリ教育を学び、2019年より東京都府中市にてモンテッソーリ教室「マヴィのおうち」を主宰。保育士資格と実践経験を活かし、家庭教育支援と探究的な学びの場づくりを行ってきた。

現在は、「五感をひらく暮らし」と「問いを育む学び」をかけ合わせた「古民家留学こどもMBA」を展開し、地域の自然や文化と出会うリアルな探究体験を届けている。

自らもがん闘病の中で“今を生きる問い”と向き合いながら、教材開発や社会起業へと挑戦中。教育を社会インフラとして広げることをビジョンに掲げ、子どもたちに“わたしを生きる力”を届けるための実践を重ねている。

【資格・活動】
日本モンテッソーリ教育総合研究所認定 3-6歳教師
保育士
日本野菜ソムリエ協会認定 野菜ソムリエプロ

Mariko Kuwabara
Montessori-based / Japan
Learning starts with “ん?” not “Aha!”

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