24年11月 デジタル時代こそアナログ体験を

11月になり、ママヴィの中で新たなプロジェクトが動き出しました。そこで、デジタル時代に生きる子どもたちについて様々な角度から考えています。

今回は「デジタル」と「アナログ」という観点で、子どもたちを取り巻く環境についてまとめました。

「デジタル」とは
情報を部分的に切り取り、
区切った状態にあるものです。

「デジタル」世界は、
電気を通すか、通さないか
YESか 、NOか
◯か、×か
0か、1か
白か、黒か
そうやってはっきり区別できる世界です。

一方で、
自然界にある連続している情報のことを
「アナログ」といいます。
曖昧なことも、曖昧なものとして存在しています。
自然のままの姿です。

私たち人間は
利便性や効率性を追求して、
新しい技術やシステムを開発してきました。

そうやって出来上がったのが
「デジタル」世界です。

冒頭でお話しした通り

「デジタル」とは
情報を部分的に切り取り、
区切った状態にあるもの
自然界にある沢山の情報から、
誰かが決めた区分の上で成り立つ
一部の情報でできた世界です。

先人が、必要なものと不要なものを判断して
不要と判断されたものは切り取られた世界です。

曖昧な情報が削ぎ落とされた
整理されている中から何かを選択するのは、
とても便利です。

でも

「デジタル」世界で何かを選択する時に
それを選択しているのは
本当に自分なのでしょうか?

自分のことは、自分で選択する力をつけること
が「学ぶ」ということだと思います。

だとすると、

私たちは便利と引き換えに
主体性や学ぶ機会を失ってはいないでしょうか?

特に幼児期は、
感覚で捉えた情報を脳に届け、活動に移しながら
ありとあらゆることを学んでいます。

人類は、
二足歩行をして両手の自由を獲得しました。

「アナログ」世界では、
自分の手でありとあらゆるものを作り出さないと
生きていくこともできません。

生きるための手段として手を使ってきた結果、
脳が発達してきました。

現代は、
掃除はロボット掃除機がしてくれるし、
洗濯は洗濯機に入れるだけ。

蛇口を回さなくても水は飲めるし、
扉は自動で開きます。

誰かが作ってくれた「デジタル」世界のおかげで、
手を使わなくても生きていくことができます。

でも、

生まれた時から「デジタル」世界しか知らないと、
脳を発達させる必要もなくなってしまうのではないでしょうか?

本来子どもたちは、
手を動かしたいという意欲に満ちています。

不便な世界が大好きです。

箒とちりとりでお掃除をしたがるし、
洗濯板でゴシゴシ洗うことも大好きです。

蛇口を回したり、
ドアノブを回して扉を開けることができる環境なら
何度も繰り返しやりたがります。

自然という「アナログ」世界から
沢山のことが学べるから、
楽しくて夢中になれるのだと思います。

「デジタル」の時代だからこそ、
子どもたちには
不便を楽しむ経験を提供したいと思っています。

プロフィール

ママヴィ 代表|桑原 眞理子

大学卒業後、食品メーカーを中心に商品開発·マーケティング職に従事。
「こども哲学」との出会いをきっかけに子どもの斬新な発想に魅せられ、子どもの力を社会に届けたいという想いからモンテッソーリ教育を学ぶ。
子どものマーケティング思考を育む6歳からの体験型キャリア教育プログラム「こどもマーケター入門」を開発し、ワークショップ等を開催。現在は「モンテッソーリ教室 マヴィのおうち」を拠点に、マーケティング思考で自ら変化を起こすチカラを育む環境づくりに取り組む。
・日本モンテッソーリ教育総合研究所認定 3-6歳教師
・保育士
・NPO法人こども哲学 おとな哲学 アーダコーダ 理事(哲学対話ファシリテーター)
・日本野菜ソムリエ協会認定 野菜ソムリエプロ

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