Vol. 3 落とす、投げる?投げる!投げるの大好き1歳児にいくら投げても母親がダメージを受けない、紙ボールをプレゼントしました!

生れてきてすぐの赤子の手指を見て「指が長いな!これはきっと将来はピアニストか?」なんて喜んだり。
よちよち歩きながらボールを蹴る姿を見て「行く末はサッカー選手だな!」なんて言ってみたり、虫取りに夢中になる姿を見て「これは虫博士になる未来が見えたぞ」なんて言ってみる。

そんな安直な発言をする人たちを見て、昔は「え?冗談でしょう?」なんて思っていたのに、自分自身が親になってみると、そういう発言こそしなくとも、「この子の得意分野はなんだろう?」とつい探してしまっている自分に出会うことが、たびたびある。

指先を上手に使っていたら「指先が器用かも!」と思ったり、走る姿を見て「走るのが早いのかも!」と思ったり、言語を習得する姿を見て「この子、言語習得能力が高いんじゃないの?」と考えたり。そんな自分が少し恥ずかしいと思っていた時期もあったのだけど、最近私、気づいたのです。

その、「この子、これ得意かも?」のタイミングはもしかしたらその子のその事象への敏感期なのかもしれない、ということに。

我が家のだんだん(次男のあだ名、以降「だんだん」)は最近めっきり「投げる」ブームに突入中。なんでも投げる。ポイポイ投げる。

少し前から何かを「持ち歩く」という行為がとても気に入り、気が付くと家の中にある、ありとあらゆるものを手に握っては歩き回っていただんだん。気が付くとキッチンのタイマーがなくなっていたり、家の鍵が普段の置き場所とはかなり離れた場所から見つかったりと、とても恐ろしい事態が多数発生するわけなのだけど、最近はその手に持っている「もの」を「投げる」という楽しさを覚えてきた彼。

散歩をしていると拾った石をポイ。ご飯を食べていると握っているフォークをポイ。たたまれた洗濯物を広げてポイ。お兄ちゃんの大事なおもちゃを箱から出して外へポイ。投げる。どんどん投げる。

ただ、ボールを投げていると「上手だなぁ」と感心してしまうのに、ほかの家庭内のものをぽいぽいと投げられるとついつい止めたくなってしまうのが母親の心情というもの。重いものを床にたたきつけるように投げるときなんて悲鳴をあげたくなってしまう。

お兄ちゃんが大事なものを投げつけているときは兄弟げんかを恐れてなんとでも制止したくなってしまう。そんなわけで、こうなったらとことんだんだんが、投げることを楽しめるための、投げるためだけのアイテムを用意してみよう!と考えた私。ありとあらゆる投げるアイテムをだんだんに提供してみることに!

それが、これです。厚めの裏紙をクチャクチャにまるめた「紙ボール」

息子たちがした古いお絵描きの裏紙で、捨ててよいよという許可が出たものを切り、丸めて。

たくさん作って、かごを用意してみたら、どんどん投げ入れていく。これが楽しいらしい。繰り返し投げ入れていき、入るとパチパチパチパチ。自分で自分をきちんとほめるところまでがワンセットである。素晴らしい。

観察、をテーマに始めた「ながらモンテ」だけれど、仕事をしながらこどもたちをじっくり観察するのは難しい。色々と試行錯誤の結果、手が空いた時に集中的に観察するスタイルが今の私にはあっているのかなと気づき始めた。

空いた時間に集中してこどものことを見て、その時その子が楽しんでいることを、短時間で思い切りやらせてあげられる環境を作る。

そうすると何がいいって、何より母親である私がとても楽しい気持ちになれるんだなぁという点。本当に先が長い子育て。振り返ったらあっという間なのかもしれないけれど、途上にいる我々にとっては本当に長く感じられるその道のり。

だからこそメリハリをつけて。見るときは見る。見られないときはほかのいろんな人や物にお世話になって。見られるときには集中して見られるような環境作りがキーなのかな、と思い始めた今日この頃。観察は奥深い!

プロフィール

鳥羽瀬(とばせ) 有里

上智大学心理学科卒業後、外資系コンサルティング企業にて主に金融関係のプロジェクトに従事。その後欧州系コンサルティング企業の立ち上げに参画。人事関連の責任者として、社員ひとりひとりのキャリアを見据えた新たな評価、育成制度を構築。
現在はポートフォリオワーカーとしてあらゆる職種業種の仕事に携わりながら2児の男子を子育て中。

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