2020年は教育改革の年です
新型コロナウイルス感染症一色
の一年だったように感じる2020年も残りわずかですね。
そんな2020年は、
新しい学習指導要領が適用された
「教育改革の年」でもありました。
「学習指導要領」とは、
全国である程度の水準の教育を提供することを目的として、
文部科学省が定めているカリキュラムのことをいいます。
この学習指導要領をもとに、
時間割や教科書の内容が決められます。
今回導入される学習指導要領では、
「生きる力」のその先の力を育成する
「社会に開かれた教育課程」を実現するために
主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)が重要視されるようになりました。
主体的な学びのカギは、
幼児期に関わる大人の態度
そもそも幼児期の子供たちは、
自分がやりたい、自分でできるようになりたい
という意欲に満ちています。
この、
できるようになりたい、わかるようになりたい
という意欲が、後の学びの姿に直結します。
でも、最初は一人ではできません。
一人でできるようになるためには、
適度なサポートが必要です。
大人の出番ですね。
では、適度なサポートとは何でしょうか?
「まだできないから」「子どもがやると後で大変だから」
と、先回りをして大人が代わりにやってしまうと、
いつまでたっても自分でできるようになりません。
そうするうちに、
「どうせできないから」「大人が代わりにやってくれるから」
と、意欲は萎んでいってしまいます。
適度なサポートのヒントは
「敏感期」にあり
「敏感期」とは、幼児期における
ある特定の事柄に対して強い感受性が表れる、
特定の時期のことをいいます。
「敏感期」にある内は、
その特定の事柄は、簡単に吸収されるのですが、
その時期が過ぎるとその感受性は消えてしまいます。
ですから「敏感期」に適した環境づくりはとても大切です。
同じことを何度も繰り返したがるお子さまの姿を見て、
「一体、何がおもしろいの?」
「この子大丈夫かしら?」
「いい加減にして欲しい…」
なんて思ってしまうことありませんか?
でも、そこに
敏感期が隠れているとしたら見逃せませんよね。
この時に大切なことは、
目の前のお子さまは
その活動のどの部分に魅力を感じているのか、
何ができるようになりたいのか
ということです。
それを知るためには、
普段からお子さまをよく観察する必要があります。
「敏感期」を見つけるヒントは
大人の観察力
例えば、
コップをよくひっくり返す時期のお子さまの姿…
お水が注げるようになりたいのかもしれませんし、
手首を返す動きを洗練させたいのかもしれません。
お水がピチャピチャと
はじける様子や音が楽しいのかもしれません。
中のお水を触りたいのかもしれません。
やって欲しくないことであれば、
普段の観察を頼りに仮説を立て、
魅力的な部分が体験できる代案を提供すればよいのです。
発達には順序性や方向性があるので、
ある程度の予測は立てられます。
でも、目の前のこの子の敏感期は、
他の誰とも違うのです。
集中して楽しんでいるのであれば、
邪魔をせずそっと見守ることも大切です。
ひとりひとりの
敏感期に合った環境をつくるためには、
他人との比較は意味を成しません。
幼児期に個を尊重された経験は、
主体的・対話的で深い学びにつながっていきます。
1977年生まれ、東京都八王子市出身。プロフィール
ママヴィまなびのキ 代表|桑原 眞理子
工学院大学 工学部 応用科学科卒。
企業での商品開発・マーケティングに17年間従事し、暮らしに寄り添う価値づくりを追求する中で、子どもたちの自由な発想と出会い、「子どもの力を社会に届けたい」と強く感じ、教育の道へ。
モンテッソーリ教育を学び、2019年より東京都府中市にてモンテッソーリ教室「マヴィのおうち」を主宰。保育士資格と実践経験を活かし、家庭教育支援と探究的な学びの場づくりを行ってきた。
現在は、「五感をひらく暮らし」と「問いを育む学び」をかけ合わせた「古民家留学こどもMBA」を展開し、地域の自然や文化と出会うリアルな探究体験を届けている。
自らもがん闘病の中で“今を生きる問い”と向き合いながら、教材開発や社会起業へと挑戦中。教育を社会インフラとして広げることをビジョンに掲げ、子どもたちに“わたしを生きる力”を届けるための実践を重ねている。
【資格・活動】
日本モンテッソーリ教育総合研究所認定 3-6歳教師
保育士
日本野菜ソムリエ協会認定 野菜ソムリエプロ
Mariko Kuwabara
Montessori-based / Japan
Learning starts with “ん?” not “Aha!”