2021年4月の台所モンテコラム

★2021年4月1日★

知性を育む3つのヒント

モンテッソーリ教育は、一般に「知性」を育む教育とも言われています。

広辞苑によると「知性」とは、頭脳の知的な働きであり、知覚を元としてそれを認識にまで作りあげる心的機能のことです。つまり、ものごとを認識し、考えたり、判断したりすることがモンテッソーリ教育によって育まれるということになります。

生まれてから3年くらいは、周囲の年長者を模倣しながら、生きるために最低限必要な「自分のことは自分でする」ことができるようにトライアンドエラーを繰り返して成長していきます。

できることが増えてくると、それまで溜め込んできた様々な情報を、整理・秩序化するステージに進んでいきます。その時に発揮されるのがこの「知性」なのです。

いつもと同じ場所、いつもと同じ順番、いつもと同じやり方・・・

大人からすると、些細なことに強いこだわりを持たれて困ってしまうこともあるかもしれませんね。

でも、「秩序感」は、お子さまにとっては生きるために不可欠な「羅針盤」のようなものです。

「羅針盤」が確立していると、知性が発揮できるようになるのです。

秩序感が芽生え始めると、ある時期から「おなじ」を見つけることを楽しむようになります。

「おなじ」を認識できるということは、ものごとを「区別」ができるということです。

最初は全く同じものを対にすることに始まり、次第に「同じ色」「同じ形」「同じ大きさ」など、要素が「おなじ」ことにも気付いて楽しみ始めます。

この、「おなじ」を見つけて区別することは、知性を働かせる活動の第一歩です。

モンテッソーリ教育では、インプットした情報を整理・秩序化するために、3つの操作方法を基礎として考えられています。

一つ目が、先ほど出てきた「同じを対にする(Pairing)」活動です。

例えば、動物フィギュアをおうちに取り入れるのであれば、全く同じフィギュアを2つ用意することから始めます。たくさん具体物に触れ、様々な感覚印象を溜め込んでいくと、フィギュア(3次元)と絵カード(2次元)のような抽象度の高いものを対にすることもできるようになっていきます。

しばらくすると、二つ目の「順番に並べる(Grading)」ことも意識し始めます。

ものの大小、長短、重軽など比較して、順番に並べることが楽しくて仕方ない時期が訪れます。

そして、同じ要素を見つけて「仲間に分ける(Sorting)」という操作を楽しむようにもなっていきます。

この、「同じを対にする(Pairing)」「順番に並べる(Grading)」「仲間に分ける(Sorting)」というシンプルな3つが、全ての基礎になるのです。

目の前のお子さまは、今どんなことを楽しんでいますか?この「3つの操作」という視点から観察すると、新しい気づきが生まれるかもしれませんよ!

2歳_ピンクタワー